毎日新聞の「歌壇・俳壇」の川野里子さんのエッセイで紹介されていた一首。
蟹缶を一人で食べるのであろう。缶の汁を「海」と詠んだところが手柄だが、蟹缶を宝物のように大切にあつかう様子に思わず微笑んでしまう。
そういえば、蟹缶を買ったことがない。確かに高いんだろうけど、どのくらいのものなのかと検索してみると、「タラバ蟹缶(脚肉)120g」なるもので、一缶価格3240円というのがヒットした。なるほど、これは宝物ですね。
商品紹介として「缶詰ならではのつけ汁も、スープなどに利用できて便利」なる売り文句もあったが、この歌ではきっとつつっと啜るんでしょうね。海と一体になるひとときか。
蟹缶を自分のために開けてゐる海がこぼれぬやうにそおつと
門脇篤史/『歌集 微風域』(現代短歌社)
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